さっきまで冷静でいれたのに、少し動揺してしまった。
僕が…可愛いすぎるから?
意味がわからない、ていうか理解不能。
それが理由でむかつくとか、本当に?って深く疑ってしまう。
浮気の原因ともあらば、尚更だ。
「あとっ……キスはしてもその先はないでしょ?なんか私…女として見られてないのかなって…キスだってフレンチなのだけだし…楓純は私のこともう好きじゃないんだって思い始めるようになって……そんな時昌樹くんに出逢って……その…」
「したの?」
「……うん。元カレに女として見られてなかったみたいで、そんなにだめ?って聞いたら俺は違うよって告白されて……嬉しかったの。私をそんなふうにも見てくれたから」
僕は1度も彼女を…凜菜を嫌ったりなんかしていないし、そんな素振りを見せた覚えもない。
それなのに、凜菜は僕にそんな不満を抱いて、違う男と付き合ったんだね。
…僕は、ちゃんと彼女を愛せてあげていたのだろうか。
確かにキスだけで、それ以上の行為はしなかった。
だって初めて大事にしたいと思った相手だったから。
高校2年生のとき、当時クラスで人気者だった凜菜に一目惚れして…それが初恋だったんだ。
クラスの友達に相談に乗ってもらいながら、卒業を控えた翌年にこのままじゃ離れ離れになると思って、それが嫌で勇気を出して告白した。
そしたら返事は即OKだった。
僕は嬉しくて、初恋なんて叶わないって言われてるのを知っていたせいもあって、尚更凜菜を大事にしたいと強く誓ったんだ。
でも…。