もう一度、僕に恋をして。






どうやらそれは、そう思うのは僕だけじゃなくてほかの人もそうらしい。通りかかる女性たちが折崎さんをみて、頬を紅く染めていた。




やっぱり、わかってはいたけれど折崎さんって女性からもてるよね。




ちょっとだけ、チクリと胸が痛む。




そんな痛みを感じていることは、おかしいことなのに、ただ嫉妬に似た感情に支配されていてたいして気にしたりなどしなかった。






「楓純くん、なんだか今日はさらに可愛いね」

「折崎さんこそ…かっこいいです」

「そんなことないよ?」

「ありますよ…女性たちの目線凄いですよ?」





唇を尖らせながら、周りへと視線を移せば折崎さんも同じようにキョロキョロとあたりを見回す。




そして僕の方に視線を戻したかと思うと、今度はなぜか笑い出した。それもお腹を抱えるほど。





「折崎さん?!」




まるで嫉妬みたいで恥ずかしくて、思わず声を張り上げた。




はぁ。




本当に、折崎さんといると調子乱れる。






「ごめっ…だって、楓純くん…あははは!」

「もうっ…折崎さん!」




いくらなんでも笑いすぎだと思う。




どうやったら涙を目に貯めるくらい笑えるんだ。というか、どこが笑いのツボなんだよ!!





「可愛いなぁって…ふふ、僕のなのに見るなって言ってるようでさ…あはは、可愛いって思っちゃって…あははは!」

「だっ、だからって笑いすぎだと思いますが?!」

「そう、だね…あははは!涙出てきちゃった」






全く、こっちは恥ずかしくていたたまれない気分だっていうのに。




ただでさえ往来のど真ん中で大笑いしてるもんだから、さっきよりも通行人からの視線が槍のように突き刺さってくるんだけど!





「ふぅ、収まったよ大丈夫」

「じゃあ映画館に行きますよ!」

「あれ?怒ってる?」

「怒ってません」

「本当に?」

「本当です!」

「ウソついたらキスね」

「はい?!」





ちょっと待って、色々とツッコミ要素満載なんだけど。




あと別に怒ってはいないけど、ちょっと荒立ってたかもしれない、でも怒るとかそんなんじゃないから嘘じゃないのに!




ウソついたらキスねって…。




普通人ごみの中でいう?!




異性同士だったらサラッと聞き流しながら、舌打ちするレベルで済むけど、同性同士でそんな会話してるのをすれ違う人たちが聞いたらアウトでしょ!




でもそれを顔色ひとつ変えずに、さらっと言えちゃうあたり、なんだかなれているって言うかさすがだと思った。




折崎さんって…男の人、好きになったことあるのかな?