「…もう大丈…ぁんっ…や、ちょっと!折崎さんっ…」
「ん?」
傷口じゃない部分を舌で擽られて、必死に堪えていたのについ、また甘い吐息を出してしまった。
ただ指を舐められてるだけなのに、
それは治療のためにしていることなのに、なぜか反応してしまう自分が、恥ずかしい。
「わざと、ですか?今の…ぁっ…」
また、違う箇所をちろりと舐められた。
ぜ、絶対この人、僕の反応を楽しんでるっ!
だって口元、緩んでるし!
僕は折崎さんの肩を軽く叩いて、
「いいから、もう舐めなくてもいいですから!絆創膏して、料理再開しないと!」
そう言って折崎さんの口から指を抜こうと抗う。
「あはは、ごめんごめん!楓純くんの声が可愛いくてさ、意地悪しちゃった」
てへ、と言わんばかりの表情に、僕はちょっとイラッとして唇を尖らせる。
でも、あっさり解放してくれたのにはびっくりしたけどね。
「や、やっぱり!」
「あはは!顔真っ赤だよ?」
「なっ…だ!…」
「大丈夫、今日もキス以外なんもしないから…ね?」
「~っ!」
だ、誰のせいで顔真っ赤になってると思ってるんだぁぁぁ!!
お、折崎さんが!
いやらしくわざと僕の指をな、舐めるからだろぉぉ!!
僕はなんだかもう、恥ずかしさの限界値を超えてしまったのか、怒りさえ湧いてきて。
ふんっ、と折崎さんから視線を反らして
食器棚の下の方にある、引き出しから絆創膏を取り出して貼る。
ん?つーか折崎さん、キス以外はしないって言ってなかった?
…ってことは、キスはするってこと?!
僕はなるべく折崎さんの近くにいすぎないように、心がけてそのあと調理を再開した。
切った具材を炒めて、玉ねぎがしんなりしてきたところでご飯を入れる。
オムライスは作り慣れているから、流れるように作業を次々とこなし、あっという間に2人分が完成した。
それを折崎さんは、隣からニコニコと見つめていて、何気に使った器具などを洗っていてくれた。
はぁ。
なるべく近づかないようにしてたのに…。
そんな努力は一瞬で無駄になったよ。
とはいえ、器具やら食器を洗ってくれていたことは助かったし、
「洗ってくれてありがとうございます」
とりあえずそれに対してのお礼は欠かさず言う。
「お礼なんて…代わりに楓純くんからチューしてくれるご褒美があればいいよ?」
「し、しません!」
「え~じゃあ俺から?」
そう言って折崎さんは顔を近づけてほっぺだったけれど、キスをされた。
全く油断も隙もありゃしない。
こんなんだと、いつかこの人に喰われてしまいそうだ。
それだけは…さすがにまずいよね?
いや、キスだってそうだけれど…。
そこまで思うと、バーであった後にしたディープでスイートなキスの感覚が、ふと脳裏に蘇った。
あぁ、また…!
擽ったくて、顔に熱が集まってゆく感じがした。
「あは、本当に楓純くんはウブだね…もう茹でたこみたいに赤いよ?」
