「甘いもの、好きなんだ」
そう聞いてきた。
その言葉に小さく肯いた。
僕は昔から甘いもの、スイーツは全部どれも好きで、毎日1個は欠かさず糖分補給さている。
このケーキはここって決めるくらいだ。
「はい、とっても!ケーキによってお店も梯子したりして変えるくらい」
「へぇ~通だね、よほど好きなんだ」
「折崎さんは?」
僕がそう聞き返すと、折崎さんはしばらく考える素振りをみせると
「楓純くんほどではないけど、好きだよ」
と、なぜか顔をさっきよりも近づけて言った。
“好きだよ”
なんでだろう。
僕の心臓はそのワンフレーズに反応して、激しく脈を打ち始める。
別に直接的に僕自身に向けて、言われた言葉じゃないのに、
まるで、自分に好きだよって言ってきたような錯覚に陥った。
相手は同じ男で、そんなことありえないのに。
いや、でも…僕にキスをしてきたような男だ。
もしかしたら…。
なんて、期待してしまう。
そもそも期待すること自体、異常なことなのに。
それに気づかないまま、もしかしたら…という淡い想いを抱きながら、そうなんですか、と返事をした。
「んー、どれにしよう」
「俺はレアチーズケーキにしようかな、ベリー系がたっぷりでさっぱりしてそうだし。楓純くんは?」
「…僕は、えっと…そうだなぁ」
このコンビニなら、ロールケーキが美味しいんだけど…でも、新発売のショートケーキも美味しそうだし。
マカロンも、意外と美味しいんだよね。
最近はコンビニスイーツも侮れないくらい、美味しものばかりで、優柔不断でもないのに悩んでしまう。
それって結局優柔不断なのかな、とか思いながら
今は甘ったるいものがとにかく欲しくて、ショートケーキより濃厚なチョコレートケーキを選んだ。
そしてついでにマカロンも籠に入れる。
二個入りだから、折崎さんも食べるかな?
そう思いながら籠にいれたマカロンをじっと見つめれば、
「2つ食べるの?」
