僕はその視線と言葉に少しドギマギしながらも返事をする。
「…はい、大丈夫です」
「じゃあ…ここの近くに居酒屋があるからどうかな?」
「あぁ…」
居酒屋、そう言われたとき。
そんな人が多い所で会うのは嫌だって思った。
それに明日もバイトがあるから、唯でさえ酒の弱い僕にはますます酒は飲めない。
「すいません、僕明日も夕方からバイトで…酒は飲めません」
せっかく誘ってもらったのに、申し訳ないという気持ちで、折崎さんを見る。
そして返事を待つ間、どうしようかと必死で思考回路を廻らせる。
「そっか…俺の家でも来る?でも終電に間に合うか微妙だし無理か…」
折崎さんも顎に手を添えながら、同じように考え込んでいる様子だった。
僕はその姿に、あることを思いついたんだけど…。
終電の都合でいうなら、折崎さん家に行くのと同じことかもしれないから、いうか迷ったけど。
でも、ここから近いし。
「あの、折崎さん」
「ん?」
「…その、僕ん家に…来ませんか?」
「え?」
僕の提案に、切れ長で綺麗な瞳は揺れ動いていて、明らかに驚いている様子だった。
「…嫌、ですか?」
やっぱり、同じようなことだしダメだったかな。
居酒屋以外でどっかにあったかな…と、考えてみるけれど
やってるのかやってないのかわからない喫茶店と、さっき折崎さんが言ってた居酒屋しか閑静な住宅地しかないここにはない。
どうしよう。
なんて、思って自分のスニーカーの爪先に視線を落とした。
