なんだかいたたまれなくなって、折崎さんを見ることが出来なかった。
「本当に…ごめん、なさい…」
「ふっ…あはははは!」
「え?」
そのまま正座をして、ペコッと謝る僕に。
なぜか目の前の折崎さんは、突然笑い出した。
え?
な、なんで笑ってるの?
僕は意味がわからなくて、思わず折崎さんを見つめる。
「まさかっ…あはは、男にビンタされる時が来るなんて…あはははは!」
いや、笑い事じゃないでしょ!
僕は思わずそうツッコミを入れそうになった。
「君って、やっぱり可愛いよ…猫みたいで逆にそそられるかも」
「え?」
い、いま…なんて?
そそ…られる?
「俺とのキスに気持ちよくなったんだ」
また、楽しくてたまらないとでもいうような恍然とした表情をする折崎さんに、目が離せない。
「あーあ、痛いな~すっごい痛いな~」
折崎さんの発した言葉に、疑問を抱いていると、
急に折崎さんは僕に叩かれたほっぺたを抑えて顔を顰めだした。
その行為に、やっぱり痛いんじゃん!と思った僕は、
「あの、見せてください!腫れてるなら冷やさないと!」
そう言って、
無意識のうちに、折崎さんを押し倒す形で攻め寄って、頬にあてがう手を掴んでいた。
「早く、見せてください」
もう、この際距離がとかいってらんない。
僕のせいで、この綺麗な整った顔に傷をつけてしまったのだから。
罪悪感がフツフツと湧き上がる。
いくらキスをされて怖かったとはいえ、正当防衛と言い張れば通りそうとはいえ、
叩く必要なんてなかったんだ。
僕は折崎さんのほっぺたを抑える手をさらに強く掴んで、剥がそうとした。
そしたら、また折崎さんは妖艶な笑顔を見せて、
「ふふ、楓純くんさっきとは違って積極的だね?」
「え…あっ」
僕をそのまま引き寄せた。
「そうだな、痛いから…うん、そうだね楓純くんが俺にキスしてよ」
そして衝撃的な発言を、また彼はする。