僕と凜菜の関係は、マンネリ化することなく続いていて、これまで難なくずっとお互い愛し合ってきた。
だからこれからもそうだと思っていた。
この先も、途切れることなく久遠に。
凜菜とおじいちゃんおばあちゃんになっても、手を取り合って生きていくんだと、そう思っていたんだ。
喫茶店について、食事を済ませるまでは。
「あれ…凜菜?凜菜じゃね?」
それは凜菜のオススメだというカフェ屋に着いて、メニュー表を見ながらそれぞれ自分の好きな食べ物を頼んで、
2そして人で話しながら、食後のデザートをはんぶんこしていたときだった。
「あ……」
「やっぱり!……てかその男だれ?」
しまったとでも言うように、陰りを帯びる凜菜の表情と馴れ馴れしく凜菜に話しかけ、僕を詮索するような眼差しでじっと見つめる男に、
イマイチ、脳が追いつかない。
誰って……それはこっちが知りたい話なのに。
君はいったい誰なんだ?
凜菜の友人だったりするのだろうか。
凜菜は僕と同じ大学に通っていて、一つ下の学年だ。
だから、知らないのも無理はないし
人付き合いにおいては彼氏とはいえ、とやかく言うことでもないけれど、馴れ馴れしい態度に少し嫌悪してしまう。