「……」
「図星…なんだね」
「…はい」
「そっか」
折崎さんは睫毛を伏せて下を見つめる。
そしてしばらくの間、数秒だけれど沈黙が流れたあと折崎さんは何を思ったのか僕の寝ているベッドの隣に座って、僕の背中をそっと撫で始めた。
「苦しかったね」
「…あ、の…折崎…さん?」
「ここ、痛い?」
折崎さんはそう言って、僕の心臓がある方の胸を人差し指で示す。
僕は、それにどう答えたらいいかわからなかったけれど。
しばらくしてから、縦に首を振った。
「そっか、夢に見るほど苦しくて痛いんだね」
「…はい」
僕のぽつりぽつりとした声に、折崎さんはそっかって切なく笑うと、
背中を摩っていた手を今度は肩に置いて、そして―――。
自分のほうへと、優しく寄せた。
「あ、あの?…折崎さん…なにして…」
「いいんだよ、泣いて」
「えっと…」
「俺が受け止めるから、ね?」
「…っ」
何を言ってるんだ、この人。
でも不思議と心が解れていくのがわかって、涙腺が徐々に緩み出す。
「僕は…別に泣きたいわけじゃ…」
「そうだね」
「別に…凜菜なんか…っ」
「うん」
「…っ、すごく嫌いで…」
あの夢に出てきた、僕を睨みつけるナイフのような凜菜の瞳が…なぜか頭に浮かんだ。
途端に心臓はドキッと痛み出して、一気に溢れる。
