僕はきっと折崎さんに、自分の家まで運んでもらったんだろうと思った。


迷惑かけただろうな。


連絡先きけばよかった。


そしたら、謝れたのに。


そして、また折崎さんといろんな話をしたいな。



なぜかそう思っている自分がいて、その数秒後何を思ってるんだと、おかしくなってふと失笑が漏れる。





折崎さんは大人な雰囲気が漂っていて、なんていうんだろう、包容力っていうのかな。




それが見て取れて、一緒にいると安心するんだ。




いつもチラッとしか見かけなくて、一度話しただけなのに。




なぜかそんな印象を抱いていた。


また、会いたい。



そんなこと思うなんて、変だろうか。


凜菜と別れたから、人の温もりが恋しくなってるのかな。



「とりあえず、起きないと」


今日はたしか、隆弘が来てくれるんだっけ。


部屋綺麗にして、おもてなしの料理も作らないと。



僕は重たい身体を、なんとかベッドから起こすとまずは洗面所に向かうべく、足を運ぶ。