でも、蒼太先生の気持ちはすごく嬉しい。
私だって…
私だって、蒼太先生のこと…
でも、私にはいっくんがいる。
蒼太先生は、いきなりお父さんになるんだよ。
たくさん大変なことだってある。
蒼太先生はまだ若いんだ。
人生長いんだから、こんなとこで私なんかに捕まってたら可哀想。
「蒼太先生にはもっといい人がいますよ。
この先、たくさん現れるかも……
「それは!」
私の言葉を突然遮った蒼太先生の強い声。
驚いて呆気にとられていると、蒼太先生は真剣な表情で続けた。
「それは、亜紀さんには言われたくないです。
だって、亜紀さんだって同じです。亜紀さんはすごく綺麗で可愛くて、いっくんが大好きで、すごく頑張り屋さんで…
そんな魅力的な人がこの先1人でいるわけがないじゃないですか。」
そこまで一気に続けた蒼太先生は、ふぅと一息つくと柔らかく笑った。
「そんな亜紀さんを他の誰かの奥さんにするなんてできないです、俺には。もちろん、いっくんのパパだって…」
そう言いながら、蒼太先生がいっくんへ手を伸ばすといっくんはその手を握って大きく頷いた。
「ママ、好きなひとがパパがいいんだよね?」
いっくんのその言葉を聞いて、私はぐるぐると考え込んでいたことがふっ飛んだ。
私、いっくんに嘘をつくとこだった。
「亜紀さん。」
「蒼太先生、好き。…大好きです。」
やっと素直になれた途端、涙が溢れた。
その涙を拭ってくれた蒼太先生。
「俺の奥さんになってくれますか?」
「…はいっ。。」
「いっくんのパパになっても、いいですか?」
ギュッといっくんを抱き締めて、はっきり頷いた。
「はいっ。。いっくんの…
私たちの家族になってくださいっ。。」
蒼太先生はくしゃくしゃと笑うと、抱き締めたいっくんに見えないように…こっそりキスをした。
これから、きっと楽しい未来しかないんだろうなって思わせるくらい優しいキス。
彼は私たちをきっと、ううん、絶対幸せすぎる家族にしてくれるんだろうなぁ。
というわけで、私はいっくんに最高の誕生日プレゼントを贈ることができました、とさ♪
end*



