秘め恋*story9~保育園で…~





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今日はいっくんの誕生日!
天気は申し分なく、快晴!




「いっくん、行くよー!」



「行こー!!」




誕生日が日曜日と重なってくれたおかげで、
2人で水族館へ出掛けることができた。



さすがに例の難題の誕生日プレゼントは間に合わないから“行きたい所にお出掛け”でとりあえず、いっくんには我慢してもらった。




「あのね、ぼくイルカさんさわりたいんだ。」




「そっか、じゃあ今日はイルカさんとたくさん遊ぼうね~。」




「うん!」




手を繋いで隣で嬉しそうに歩くいっくんを見ながら、ふとあの日の事を思い出した。



そう、あの夜の事。私は、蒼太先生と…



久しぶりに自分が女だって再確認できた。
好きな人と触れ合えるって、こんなに幸せな事なんだって…実感した。



でもあれから蒼太先生は顔を合わせても以前と変わらず…保育士と保護者の雰囲気のままで。




きっと、気の迷いだったんだなって。



何て言うか、年上とちょっと遊びたくなった的なね?



そうだよ。よく考えてたら分かるじゃん。
バツイチ子持ちの年上女、本気で好きになるわけないよね~。




あーー、自分で言っといて落ち込むわー。。




「ママ、もうすぐだー!」




おっと、バカバカ。
今日はいっくんの誕生日を思いっきり楽しむんだから!


変なことは考えない!




気持ちを切り替えて、手を引くいっくんにつられて早足で水族館へ歩き出した。




そして、水族館の入り口の大きなアーチをくぐった時…





「あ、そーたせんせー!!」



「こんにちは、いっくん。」




え?何でいるの?



いっくんが嬉しそうに元気に駆け寄っていった先には、それをしゃがんで抱き留める蒼太先生の姿があった。




私はしばらく状況が分からず、そのまま呆然と立ち尽くして楽しそうにお話する2人を見ていた。