「懐かしいね。あのころ図書館に行くたびに佑のこと探してたもん。」

「あはは。僕も友梨に会えないかなーって思って図書館行ってた。」

僕たちはあれから大学で同じ時を過ごした。隣で。

今隣にいる友梨は純白のウエディングドレス姿。
僕たちはもうすぐ結婚する。
あの時友梨が声をかけてくれなかったら同じ時を過ごしてはいなかっただろう。

「友梨。」

僕は名前を呼ぶ。

「何⁇」

こちら向いた友梨に精一杯の言葉をつくす。


「あの日出会えてよかった。
友梨に出会えてよかった。
…ずっとずっと大切にします。」

この日の天気は雨だったけれど僕たちをつないでくれた大切な天気だ。
僕はこれから何年たっても忘れない…忘れられない…かけがえのないあのころを。