それからも図書館に行くと時々会った。
会釈をして勉強はどう⁇とかほんとにささやかな言葉をかわしただけだったけど僕には満足だった。

不思議なことにお互い名前を聞かなかったし教えもしなかった。
でもきっといつか同じ時間を過ごせる時がくるって思って勉強をよりいっそう頑張った。


そしていつのまにか雪が降る季節になっていた。



春になり僕は大学生になった。
希望大学の門をくぐってあたりを見回してみると見慣れた女の子の横顔を見つけた。

僕は女の子に向かって歩いていった。
顔に笑みを浮かべて。