3組の教室は、1階にあった。


教室に入ると、もう既に半分ほどの人が来ていた。


「あー、愛梨じゃん!」


突然、愛梨の前に快活そうな男子がやって来た。


「あーっ、青葉!
何、今年も同じクラス?」


愛梨がニヤッと苦笑いした。


「みたいだなー。……あれ、この子は?」


男子が、私に視線を移した。


…ドキリ。


「あ、この子は、橘穂香。…あそっか、去年クラス違ったもんね!」


「えっと…橘穂香です、よろしく…」


「おう!俺、湯島 青葉(ユシマ アオバ)!
橘、よろしくな!」


湯島くんがニコッと私に笑いかけた。


「穂香、そんな固まんなくて大丈夫だよーっ。青葉は、2年の時にも同クラだった奴だから、仲良くしてやってよ」