私もなるべく明るく返した。


「なんかあたし、邪魔かな?……穂香、隣の車両行ってるね!」


私の有無を聞かずに、愛梨は足早に隣の車両に行ってしまった。


「なんか……いきなりどうしたんだろうね、愛梨」


望月くんにそう言っても、ぎこちなく苦笑いを浮かべているだけだった。


…愛梨も望月くんも、ホントどうしたのかな?


不思議に思いながらも、私は望月くんと暫く喋っていた。


結局、高校の最寄り駅に着くまで、愛梨は戻って来なかった。


その最寄り駅に着き、望月くんと車両を降りた時だった。


「あっ、要ーっ!」


ホームのどこかで、誰かが望月くんを呼んでいた。


……誰だろ。