「穂香先輩、いますか?」


え、私?


誰だろ……。


「え……っ」


望月くん…?


「あ、穂香先輩!今日、帰る人いますか?」


なんで、望月くんが……?


望月くんは確か1組って言ってたから…3階からわざわざここまで来たって事?


「帰る人、いないけど…」


とりあえずそう返すと、望月くんはパアッと瞳を輝かせた。


「1人ですかっ?…じゃあ、一緒に帰りましょ?」


え…?


「嫌…ですか?」


「う、ううん、嫌じゃないよ」


で、でも……


「も、望月くん、帰る人いないの?」


私と帰るって事は、そういう事なのかな…。


私は別に構わないけど…。


望月くんは、困ったような顔をした。