「…ふーん、なにもなかったみたい、ねえ」
ガタと音をたて椅子を引いて将斗が立ち上がると、空気もいっぺんに変わった。
近づく将斗に私は目が離せない。
「っ…!」
「身体はなにもなかったとは言ってないみたいだけど」
スッとなぞられた首筋
堪えきれず漏らした吐息に、まだ足りないとでも言いたげにさらに指を滑らす。
「それとも」
口元に浮かべられた笑みは、先ほどとは違って妖艶
「身体が思い出すまで、昨晩の続きでもしようか」
トンと胸元に置かれた指
そこから伝染しているかのように熱が広がり、顔が火照る。
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