ああ、本当にやっちゃったんだ。



妙な実感を抱えつつ、ベッドから降りようとした私はふと隣を振り返った。



「……着替えるから向こう、向いてて」


「理由は?」


「落ち着かないからよ!良いから、大人しく向こう向け!」


「今さらだろ、昨日散々鳴いてたくせに」


「うるさい!」



枕を将斗の顔面に押し付け私は慌ただしく服を身につける。


なに、鳴いてたって!デリカシーってもんがないの!?


自分のことを棚に上げ怒る私は随分身勝手だ。


服を身につけ終わると気配で分かったのか、のそりと将斗も起き上がり服を着だした。