迷い風


「楓は不思議ちゃんだけどちょー美人だよ。この町の美女コンにも選ばれたことあるんだ。まあ辞退してたけどね」

「そうそう、懐かしいな~。くだらないってね」

そんな話をしている間も咲は一言も話さなかった

正直本城兄弟と咲はキャラが違いすぎる

「咲と一緒にここに来たんでしょ~。つまんなかったでしょ。咲、話すの苦手だし、話し方怖いしね」

「小さいときからぶっきらぼうでねー。まあ、中身はいいやつなんで許してあげてね~」

「おい」

「怒られる前に俺はふろにでも入ろうかな~。ひーもそらと入っちゃいな」

「うん、お風呂行こう、そら。タオルとか着替えとかは向こうにあるからね」

そういって小さな柔らかい手が私の手に触れた
そして私を引っ張ていった
思っていたよりも強く 速く