トイレのウォシュレットの音が止まり、夏の太陽に焦がされて、べろべろになった腕を眺めていた。

黒いというよりも赤く、ところどころキラキラとしている。


いつからだろうかと、ため息が漏れる。

疲れすぎて、立ち上がることも出来ない。

目の焦点がうまく合わない。

仕方なしにタバコに火を付けてふぅと吐き出しまどろみながら目を閉じて深いところに落ちた。



いつからだろうか



いつぐらいだっただろうか

金がなくなった俺は要領だけは良い

でも、あまり好きじゃない友人に連絡を取った。

その友人がもちかけてきたのは、黒人奴隷を輸送するいわゆる「奴隷貿易」であった。