目の前にいるのは綺麗な顔した盗撮魔。


大袈裟に笑うたびに揺れるブラウンサラサラヘアが恨めしい。


シャンプーとトリートメントのメーカーを教えなさい。さすれば許さんでもない。



私のマドンナは何処へ行ってしまったんだろうか?





「マドンナは君が見ていたただの幻想なのだよ……」


「人の思考回路を横断してくる魔物が見せた悪夢だったのか……。」


「お口に出てますたwwww」


「それは失礼。」





頭の中が駄々漏れてるとか笑えない。


口は災いをもたらすからね、


無責任な言動行動は慎みましょう。





「もういい!松田君って顔だけなのね⁉マジ残念!」





ヒステリックに叫ぶ女子Aと何とかキスをま逃れたらしい男子だが、


告白されてすぐ残念言われるとか……1ミリくらい同情。


私も歯切れ悪いと思ってたから全部フォーローは出来ないけどね。





「…………残念、か。はぁ」


「レミ!隠れて!王子こっちに来るよ!」


「うわっ」





さっきから王子って誰やねん、とか思ってるとサァヤが私を引っ張り近くの植え込みにダイブさせる。


制服汚れる……別に私悪いことしてないから隠れる必要無いんだけどな。





「ん?誰?」


「ギクゥ」





あ、バレた。


まぁ普通植え込みに隠れて見つからない方がおかしいか。





「ごめんね、告白されてたみたいだかったから。居合わせただけ。嫌な思いさせたてたらごめん。お疲れ様。」