「レミちゃん参考のために俺とバグを!」
「男止めるとき教わりに来な」
「大川ちゃん俺ちょっとタイに行ってくる!」
「落ち着け松田。男じゃなくなったら笠原と結婚出来ないぞ?」
「それは困る!」
「なんの問題もないな。行ってらっしゃい」
「顔の横で手を振るレミちゃんラヴ~!」
いくらリムジンが広いとは言っても、車の中だと逃げ道がなくて困る。
変態がそれを良いことに私に『参考のためのハグ』を強制してくる。
このまま外に突き落としてやろうか?後ろから来た車に引かれてしまえ
その後車の無実は私が証言するから。
「紗綾お嬢様、そろそろ到着でございます。」
「はぁ~い!さ、行くよー!?」
「何処へだよ」
「決まってるじゃない!」
何も決まってないと思うのは私だけじゃなかろう?
そもそも使用人さん方いるんだったら私が荷物番した意味……役得だからいいけどさ。
「ほら、ぼぅっとしてないで!行くわよ!」
「だから何処に……あなた達元気ですね」
「やっぱ夏休みと言えばお化け屋敷、のための遊園地でしょ!デレろレミ!ニヘヘヘwww」
「暗いのもお化けもノープロブレム」
「勇ましいwwwww」
サァヤが吉田君の手を引き、意気揚々と遊園地~ドキドキワクワクガクブルランド~に入って行く。
昨日から距離が心なしか近いな。
告白した、という簡潔なLINEだけを、昨日の夜に吉田君が送ってきた。
そこまで言うなら是非とも結果まで教えてほしかったものだが、上手くいったみたいで良かった。