「はぁはぁはぁ歩くたびに揺れるスカートが俺を誘っている……俺の目には君しか写らないよ……」


「目の前の電柱でも写しとけハゲ」


「え?って……グハァ」





愛しい電柱とキスをして泣いて喜んでいるヤツ。


おめでとう。


そのまま一生電柱とキスしてれば?





「あ~らら、本当に『残念王子』ねwww」


「王子取ってただの『残念』にしてしまえ」


「せめて人間にしてあげない?」


「レミちゃんに呼んでもらえるなら何だって構わないよ!松田 残念(まつだ ざんねん)に改名してくるからちょっと待ってて!」


「『変態番号1』、消えてください」


「レミちゃんの1番になれるなんて嬉しいよ!」


「…………。(ブルッ」





そう。


ヤツは我が校で『残念王子』の称号を欲しいままにしているのだ。


というのも喋らず動かずの状態だったら文句無しの王子、


ただ一度口を開けば変態と化すから残念。





「あんたも喋らなかったら格好いいのにね……」


「……えっ⁉マジで?マジで?じゃあ分かったもう俺喋んない!」


「もうあんたの残念さを知ってるから無意味。」


「残念とか言っても何だかんだ絡んでくれるレミちゃんが愛しい……」





自己中ポジティブ残念野郎を相手にしていられない





「早く行こうサァヤ」


「王子不憫おつwww」





ホント、何でこんなことになったんだ……