アイドルとわたし







ボーッとしていたら





きゃぁぁぁぁぁ!!!!!







黄色い声援がわあっと上がった。







「プレミアライブの始まりだー!」






瑞季くんの掛け声でライブが始まった。






羽がついた王子様のような格好をしている5人は本物の王子様みたい。






「かっこいい…」





久しぶりに見たからかな?





格好良さが増してる気がする。





隣で中原くんは完全に見惚れて言葉を失ってしまっている。






一曲目から激しいダンスナンバー。





目が勝手に智哉くんを追う。





やばい。どうしよう。やっぱりあたし…






「好きだ…」




真剣な表情。





激しいダンスナンバーなのに軽やかで、難なく歌い上げる。




そしてその中でもたまに見せる笑顔。






全部が好きだ。





忘れるなんてできるはずがなかった。





ステージで輝く彼を見ながらあたしの頬に涙が伝った。





中原くんも周りの人もステージに夢中だからあたしの涙には気づかない。




いや、気づいていたけど気づかないふりをしてくれていたのかもしれない。