会場には女性ファンはもちろん、中原くんのように男性ファンもちらほら見えた。
同性をも虜にしてしまうなんて、本当にすごいと思う。
「あー、生の爽くん、まじかっこいいんだろうな。早く会いたい」
「あたしより乙女だね、中原くん(笑)」
「真央ちゃんがクールすぎるんだよ!
慣れてるから!?いや、慣れないでしょ!」
1人でパニック状態の中原くんは周りの子達にもクスクス笑われていて、それでも気にせず興奮していた、
「あ、始まる…」
照明が段々と暗くなってきて
ライブが始まることを告げた。
さっきまでワクワクしていた気持ちが、少しずつ違うドキドキに変わっていく。
半年ぶりのSKY。
前までと会う条件が違う。
ただのファンとステージ上で輝くアイドル。
ドームのようにあんな沢山の人がいる中からあたしを覚えてくれていたみんな。
こんな狭い所だとすぐ見つかってしまいそう。
中原くんのこと、彼氏だと思ったりするのかな。
軽い女だって思うかな。
…そっちのほうが都合がいいのかもしれない。
嫌われたほうが。

