アイドルとわたし







「たった1ヶ月で前よりもっと智哉くんのことが好きになってる。



アイドルとしてじゃなくて、人としての智哉くんのことが。





もっとそばにいたかった。もっと隣で笑いたかった。好きだよって抱きしめてほしかった。





最近、あたしまで追われているのは気づいてた。




予想はしてた、でも…






別れがこんなに辛いだなんて、思ってもなかった…」






自分たちでは上手くやっているつもりだった。




でもそこら中に見張りの目はあって。






確かな幸せを簡単に潰していく。





「真央、あんた追われてたの?」





今まで口を閉ざしていた桃がやっと口を開いた。





「うん。



なんとなくだけど、そんな感じした」





「ごめん、気づけなくて」



桃が自分のことのように泣いて悲しんでくれる。





それが助けになるよ。ありがとう、桃。