走って上がっているであろう息が、耳にかかる。 「…逃げないから、離してもらえません?!」 くすぐったいんですけど!! 「あ、ごめん…って違うだろ! …てか、泣いてた?」 そう言われて、初めて気づく。 …あたし、泣いてたんだ。 「なんで玄関で待ってないんだよ?」 「っあんたが人を呼んどいて、告白なんかされてるからでしょ?」 「はぁ?そんなの知らねーよ。 俺が待ってるって言ったら、お前も待ってればいいんだよ。」 うわっ、なんて理不尽!! 新太ってこんな感じだったっけ?