ずっと後ろで、あたしを呼ぶ声が聞こえる。 中学3年間、短距離選手として鍛えたあたしと、 のんびり放課後を過ごしていた、新太。 あたしの方が速いはずなのに、やっぱり男の子には敵わなくて。 それでも追いつかれたくなくて、足を前へ動かす。 「…待てって言ってんだよ!!」 グイッと左手を引かれたかと思うと、そのまま後ろから抱きしめられた。