「おっはよー、こずえー!!」 玄関で靴を履き替えて、向かうのは2年1組。 あたしのクラス。 窓側のうしろの席とは、なんともラッキーな席だ。 そしてその前にいるのが、岩井梢。 小学生のときからずっと一緒。 あたしなんかと違ってマジメだし、図書委員もやってて頼れる子。 「……あ、汐音ちゃん。おはよう。」 それだけ言うと、視線を本に戻した。 おしゃべり大好き人間のあたしと、話すのが苦手な梢。 そんな真逆なあたしたちだけど。 梢はあたしの大切な友達なんだ。