なんとか支度を間に合わせ、玄関近くの窓から隣の様子を確認する。
ゆるく巻かれた傷んだ髪が崩れないように、マフラーを巻きつける。
視線を戻すと、あいつが家から出たのが見えた。
お気に入りのベージュのムートンを履いて、あたしも銀色の世界へ飛び込んだ。
「うっ…さむっ!」
北風が肌に突き刺すように吹く。
制服の下にタイツを穿くわけでもない。
スカートだって、校則ギリギリまで巻いている。
この時期は寒いし、肌は乾燥するし・・・。
だからあたしは冬がキライだ。
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