バシバシバシ



「汐音。いい加減、起きなさい!」



バシバシとハエ叩きで起こされるのは、いつものことだ。



そんなことを気にしないで、カーテンを開ける。



暦上では春だというのに、まだまだ寒い日が続く2月。




「こーんなに寒そうなのに、どこが春よ?」





窓から見えるのは、辺り一面に降り積もった真っ白い雪。





時計を見上げれば、あと10分しかない。




「やばっ。準備しなきゃ!」