「なんで?!からだが弱くて出産は難しいって…」

セナは驚きを隠せず、いつも使っている敬語を完全に忘れて一人の子供のように身を乗り出した。
王妃はにっこりと嬉しそうに、少しだけ恥ずかしそうに微笑んだ

「そうだったんだけど、体調が良くなったらって父上と話していたのよ。
あなたが生まれたときから、ずっと…」
「母上」
「これで無事生まれてくれれば、ようやくあなたをあるべき姿にしてあげられるわ」

王妃の言葉にセナは顔がこわばった。
ウキウキの王妃はセナの様子に気づく気配もなく、少し後ずさるセナに対して少し身を乗り出す勢いだった。

「母上…まさか」
「ええ、この子が生まれたらセナを王女として正式に皆に公表するわ。だって、あなたは私たちの大事な娘だもの。」