名前を呼びつつ、彼の肩を叩くとピクリと身体を揺らし頭をあげた。



こちらに向けられた瞳は少し怒ったようにも見える。



「その呼び方しないでって、いつも言ってるじゃん」


怒ったようにも見えるんじゃなくて、どうやら怒ってるらしい。



「呼ぶのはいつものことでしょう?だからそんなに怒らないでよ、龍」


「…いい加減にしろ、じゃないと塞ぐ」


「出来るものならやれば?」



挑発する私はそれを望んでいる。



目を丸くする龍平に普段あまり笑わない私はこのときばかりはにっこりと微笑んでみせる













―――いつも笑顔の私と同じ顔の姉同様。