それからまた
ゆっくりだけど時間は進み
涙が頬を伝い始めた頃
玄関のドアが開く音がした
まさかと思ったけど
まだ12時すぎ…
完全に気のせいだと思い
その寂しさにさらに涙が頬を濡らした
ふとため息をついたとき
薄暗い寝室に明るい光が差し込んだ
驚いて顔を向けると…
「覇瑠起きてる?」
そういいながら近づく
荘の姿があった
「何で泣いてるの??
大丈夫?電話してよ」
そういいながら優しく涙を拭ってくれた
「ご飯たべれなかった?
向こう行けなかった?」
「うご…け…なくて」
「貧血ありそう?
顔色がちょっと悪すぎるね」
「うごくと……くらくら…」
「そっか…辛かったね
ちょっと熱測るね」