薬のおかげで10分もしないうちに
落ち着いて柚は眠った


熱が9度後半まで上がってしまって
肺炎の方の処置も直ぐにした


とにかく体を冷やして
少しでも楽になるといいけど…



心臓の方も薬の濃度をあげて
発作を抑えてあげないと
これ以上は身体がもたない…



設定とこれからの方針を
きちんとカルテに書き残して
一度医局に戻った




ガラッ


「お疲れ様です」


「長谷川お疲れ様
柚ちゃん落ち着いた?
ヘルプ遅くなってごめんな」


医局に戻るなり医局長が
声をかけてくれた


「ありがとうございます。
いえいえ!落ち着いたので大丈夫です
一応今いらっしゃる先生方だけでも
把握していただきたいのですが
少しお時間よろしいですか?」


「ああ。もちろんだ
皆!少し手を止めて聞いてくれるか」


「お疲れ様です。お時間いただきます
今ICUにいる浅川柚さんですが
安静時のストレス性発作で入院してましたが
肺炎を併発しまして
現状39.8度の発熱と発作があります
嘔吐による脱水と食事が取れずに
衰弱しているので通常より薬を上げて
発作を抑える方針に変更しました
カルテを書き換えてあるのですが
普段と違う量なので把握の方お願いします」


「肺炎からチアノーゼは出てるのか?」


「嘔吐があったため鼻からの
酸素吸入をしているのですが
唇に少しチアノーゼが出ています
先ほどの発作時も意識回復は出来ています」


「了解しました
他に注意点はありますか?」

「先ほどの発作の時も
パニックになりかけたので
そばに人がいることを伝えてあげてください
高熱で虚ろなので
言葉ははっきり理解できてますが
視界として捉えられてないようで
俺の存在も声で伝えて漸くという感じでした」

「長谷川も心配だろうが
あまり無理しないように。
みんなもフォロー頼むな」


「すみませんがよろしくお願いします」





先生方が優しくて本当に助かる職場だ…