「今は大丈夫そうだな…
…ん?どうした?」

わたしの視線に気づいた龍が
心配そうに覗き込んできた


「ごめんね…」


「こーら。なんで謝るの?
俺は素直に話してくれて嬉しいんだけどな」


「帰ってきたばっかりだし
龍疲れてるのに…」


「気にしない気にしない」

そう言って頭を撫でながら
そっと抱きしめてくれる龍

このままずっとこの腕の中に居たいな…


「あれ…」

「ん?」

「柚、ちょっと熱くない?」

そう言って心地よい腕から離されて
わたしの背中にあったはずの手は
おでこに移動されていた


「微熱かなぁ…ちょっとごめんね?」


瞬時に医者スイッチが入った龍は
驚くほどの速さでわたしの脇に体温計を挟んだ


「熱ある感じしてた?」

「んーん」

「気分は?苦しさとかも」

「大丈夫」


「7度5分ね。結構あるなぁ」

寂しさに襲われながら少し拗ねて答えると
体温計を抜いてすぐにまた
抱きしめてくれた


「そんなに抱きしめて欲しかった?笑
すーぐ顔にでるんだから
俺は嬉しいけどね」


「べつに…」


「照れなくていいよ笑
柚が甘えるの珍しいから嬉しい」