あれから5日


2日前に
ようやく平熱にまで戻ってきた体温


痛すぎる検査を終えて
ようやく体への心配は消えて
あとは食事だけとなって面会制限が解かれた




もうすぐお昼時という頃
ノックとともに入ってきた人に
何の気もせず看護士さんだと思って居た



「そ、ぅ…」


泣きそうな懐かしい愛しい声だった



「はるっ!」

おいでと言うように両手を広げた俺に
大粒の涙をこぼしながら
飛びついてきた覇瑠



「覇瑠1人にしてごめん
不安にさせてごめん
お母さん無事に退院できて良かった
俺ももうすこしで退院できるから」


「よかった……よかった…!
もうどこも痛くない…?」


「ああ。大丈夫。
覇瑠の顔見れたから食欲まで戻ってきた
もうすぐにでも退院してやるから」



「無理すんなよ〜」

いい雰囲気のなか
不機嫌そうな低い声が聞こえて
そこに目をやると智と龍の姿があった



「もう2、3日で退院できるから
体力戻したいのはわかるけど
無理して食事とるなよ」


「一度でも嘔吐や何かあれば
退院は確実に伸びるからな」



「ああわかってるって!
覇瑠との久々の感動の再会を
お前らは何だと思ってるんだよぉ」


「ふふっ
2人ともずっと心配してくれてたんだよ
電話くれたり家に来てくれたり
だから荘に1番早く戻って来て欲しいのは
あの2人かもしれないってくらいにね」



そういった覇瑠のカミングアウトに
かなりの照れを隠しきれない
2人の表情をみて
俺も溢れる高揚感を隠しつつ
久々の覇瑠をきつく抱きしめた