一方で荘の方は
意識も回復しインフルエンザでの症状に
更に嘔吐や頭痛はあるものの
きちんと会話もでき容態も良くなってきている
ただ覇瑠の状態だけは
伝えられないままいた
「おはよう」
「おはよ」
未だ酸素マスクは欠かせない荘が
曇った声で返してくれた
「どう?具合は」
「今日は頭痛が…」
ずっと眉間にしわを寄せている
「今日は頭痛が重いのか辛いな
すぐ鎮痛剤入れるからね
熱は少し下がったね」
辛そうながら少しの笑顔を見せてくれた
治療をして何かあったらすぐ呼んでと
伝えた俺が出て行こうとした時…
「と、も…」
「ん?どした?」
「はる…どう」
「元気は無さそうだけど大丈夫だよ
荘は早く治して会ってあげないと」
「たいちょ…くずして……なぃ…?」
「大丈夫だよ
頭痛いんだから無理しないの
悪化するから!」
「ほ…んと?
なん…か、さいきん、変…だょ」
「大丈夫だから
ほら酸素濃度薄くなってるから
もう無理して話さないで
これ以上悪化させないでお願いだから」
その言葉に頷くように目を閉じ
そのまま眠りについた
覇瑠のこと心配すぎて
あんな体調の中でも必死か…
そう思いつつ病室を後にした

