車内で聞こえるのは
柚のすすり泣き



信号待ちになる度に
頭を撫でたりしてはいるけど
柚の涙は一向に減らない




「ついたよ
もう泣かないの。ね?
お家でゆっくり休もう」


「りゅっ…」


「ん?」

「ごめんね……
せっかくの…」


「大丈夫。俺も楽しかったから
明日学校行けるように
今日はゆっくり休もう」



買った荷物を持ち
片手では柚の肩を抱きながら
家に帰った