『お前のこと……、 長川のこと好き。』 もう一度、 北山くんは私に言った。 私は横に逸れた サッカーボールのことなんて 一瞬で忘れてしまっていた。 私が今日言おうとしたことを 今、北山くんが 私に言ってる………。 …そうだよね? 時間が止まったかのように 私はその場から 動けなかった。 一歩の踏み出し方さえも 忘れてしまったかのように。 ただ頭の中では 北山くんの言葉が 何度も何度も 繰り返されてた。