北山くんは こっちに走って戻ってくる。 「ちょっとーっ!!! 方向が全然違うじゃん!」 私は坂で斜めになってる 芝生の上を走って 横に逸れたボールの方に 向かった。 『長川!! 俺、お前のこと好き!』 声がした方に 思わず振り向いた。 見下ろす先には 北山くんが私を見上げて 立っていた。 ――――いま……、 今、なんて言った?