学校を出て、 電車にも乗らずに ずっと徒歩。 お互いほとんど 言葉も交わさず ただ歩いていた。 芝生に囲まれた 小さな散歩道を 二人で並んで歩く。 『もうすぐだから。』 と、北山くんは言った。 そして北山くんが 足を止めたところは…… 「……グラウンド?」 そこは 小さなグラウンドだった。 今いる散歩道から 全体を見渡せるように 私達は少し高い場所にいる。