『あともうちょっとだけ こうさせて。 まだ寒い。』 「うん……。」 最初は驚いて、ちっとも 落ち着けなかったけど だんだん心地よくなって ホッとしてきた。 首の後ろに 腕を回している北山くん。 私は北山くんの背中に 手を伸ばして トレーニングウェアを そっと掴んだ。 目をつぶってみると すごく心が静かになる。 周りも静かだし、 北山くんも何も話さない。 それがすごく 心を静かにさせた。