「ちょっと待ってて!」 私はそう言って、 家に駆け込む。 「お母さん! お父さんの羽織りもの 貸してっ!」 『どうしたの急に!』 「北山くんに 貸してあげるの! すごい薄着だから……。 今外で待ってるから はやくしてあげなきゃ!」 『それならそうと 早く言いなさいっ』 お母さんは お父さんの部屋ではなく、 玄関に走る。 「ちょ…、お母さん!?」 『いらっしゃい、 北山くん!』 ええ~…!?