同じクラスの田口くん。
細くて背が高くて、メガネをかけてて凄い真面目そう。

「…ど、どうしたの?」

「僕…菊間さんが好きでっ…ずっと俺のこと見てたよね?だから…」

「ち、違うよ?私には彼氏がっ」

「付き合おうよ?」

私の細い腕が掴まれる。
溶けそうな暑さなのにひんやりと冷たい手。

ぞわっとした。

怖かった。勢いで叫びながら振り払ってた。

「…ごめんなさい。田口くんとは付き合えない」

急いで階段を降りてた。
怖くて、汗がだらだらたれてきて。

「柚花?そんなに焦ってどうしたの?」

「…蓮。怖かったぁ…。、」