ユメをみた。

碧い海が広がっていて、けれど、そこに音は無かった。寄せては退いていく波をゆっくりと避けながら、私の手を優しく引く、ほんの少し前を歩く背中を見ていた。

その背中は彼だということを、私は知っている。知っている。けれど、だから、確かめたくて。立ち止まってみせれば、繋がれた手から伝わって、彼も立ち止まった。

冷たい風が頬を掠めて、何故か泣きたくなった。