「もう!ほっといてよ!たまたまだもん!そもそも海斗が…!!」 “海斗があまりに仕事を手際よくこなすから、それに見とれていた。” そう出かけた言葉を、慌てて飲み込む。 海斗がそれを見逃すわけがない。 「俺が、何?」 ニヤニヤしながら私の耳に顔を近づけ、甘い声で囁く。 私の心をかき乱すそいつは、まさにイジワル王子。 その時、空くんが私の肩に手を回してきた。 私は、突然の出来事に硬直状態。 「お前さぁ、いい加減にしろよ。いじめてばっかだと嫌われるぞ?」 この2人、今日は一段と仲が悪い。