「どうした?」



海斗は、なんだかんだ言って、こういう風にちゃんと聞いてきてくれる。

そういうところが、海斗のいいところだと思う。



「あのね、昨日のことなんだけど……」


「うん。」


「あ、あり……あり……っ!」


「は?あり?」


「や、やっぱ何でもない!おやすみっ!」



は、恥ずかしい…!!

やっぱり無理だよぅ。


私は、布団を顔に押し付けた。

思いっきりすった布団の匂いは、海の匂いだった。


すると、携帯のバイブ音が鳴った。

携帯を開くと、未読メールが1件。



【メールでいいから、言ってみ? どうした?】



海斗だった。



私は『ありがとう』と、メールを返信した。


その後、海斗から返事はなかった。

やっぱり、海斗も照れ屋なんだね。



私は、優しい気持ちで眠りについた。