海のすぐ近くに、勝連家はあった。

レンガ造りの、意外にもかわいらしい家だった。


「おーい、涼子!」


家に入るなり、俊兄が大きな声で誰かを呼んだ。

すると、中から女性が出てきた。

奥さんかな。


その涼子さんの後ろには、小さな女の子が3人くっついていた。


「すいません。お世話になります。」


私は、家に上がりながら、ペコリと頭を下げた。


「まあ、いらっしゃい!疲れたでしょう。ご飯できてますよ。」


涼子さんは、愛想のよい優しい笑顔を向けてくれた。

その笑顔に何だかすごく安心した。


「ほら、お姉さんに挨拶しなさい。」


涼子さんは、後ろでもじもじしている3人の女の子を、私の前に引き寄せた。

顔がそっくり。

3つ子…だよね?


「こんばんは!!」


「こんばんは。よろしくね。」


私があいさつをすると、3人はぴったりと私にくっついた。


「あたし、真帆!」


「あたし、千帆!」


「あたし、美帆!」


可愛らしい3姉妹は、私に元気よくあいさつを返した。


「真帆ちゃん、千帆ちゃん、美帆ちゃんね!覚えた!」


私は、ニッコリ微笑んだ。

小さい子は、嫌いではない。