「あれ、彼氏?」 私は、海を背景に、大きく手を振る彼を指差した。 「違うよぉ!あれはね、友達の空!海斗の兄貴だよ!うちらと同い年!!」 「ふーん」 空くんと雫は、初対面の私から見てもお似合いだった。 どうしようもないヤツなんだ、って話す雫の横顔は、海のせいかキラキラして見えた。 そのうち、空くんが走ってやってきた。 空くんは私の顔を見るなり、物凄く驚いた顔をした。 「まさか……」 空くんはそれだけ言うと、言いかけた言葉を飲み込んだ。